君目当て色眼鏡掛けて未来へ

きみときみとのきろく

静謐なきみ

元来言葉の響きが好きで、難しそうな単語をつい使いたくなるんだが、彼を見ていてふと、その二文字が浮かんだんだ。

「躍動感」や「煌びやかであること」が賞賛されやすい業種で、「静謐」って不利じゃんっていま思った。目立たないから。目立ってなんぼなのにさ。って。たしかに前に出たがらないけど…本人の意思とは関係ないと思う。だって彼の神様は圧倒的存在感を放っているから。

昔、友達に解説を(頼まれてないのに事細かに)した事があって、二人並んで踊った時、片方は動で、片方は静で、動いているのに音がしないし、風の流れが穏やかなんだよねって言ったんだ。

不思議だよね。動いてるのに音がしないなんて。
まるで、存在感がないって言ってるみたい。

でも私は、そんな君に惹かれるんだ。

謙遜してるわけじゃない。でも、誰の邪魔もしない。
ただ真っ直ぐ、前を見つめて踊る
細やかで正確で美しい、きみが創り出す、描き出す世界。
誰とも被らない、ただ一人の君がすき。

踊って?
それだけで、私は幸せだから。